認めない父親と認めてほしかった息子

「お前は本当に病気なのか?医者が勝手に言っているだけだろ!」

統合失調症になりはや13年目。

いまだに父親から病気のことで疑われる。

正直、飽き飽きする。

何度聞かれても自分は病気持ちだという事実は変わらない。

どうしてそんなに疑うのか?

よっぽど精神疾患に対して理解ができないらしい。

「俺の若い頃はそんな病気聞いたことがない。」

とか、

「病気は医者が作っている」

など的外れなことを何回も繰り返し口にする。

病気なんて時代によっていろいろ見つかって認知されることなんてよくあることだ。

病気を医者が作っているなんて言われても自分は確実に心と体に異常をきたしている、それを否定されても困る。

結局、認められないのだ。

自分の息子が精神疾患である事実に。

というか認めたくないんだろう。

その証拠に自分に都合のいいことしか言わない。

自分に都合の悪いことはとにかく否定する。

父親がわたしの持病である統合失調症について調べている姿など見たことがない。

普通、愛する家族が困っていたら「なぜそんな状態なのか?」疑問に思い、書籍やネットなどで調べると思う。

調べれば「どうしてそういう症状が出るのか?どうしたら症状を解消できるのか?」だいたいわかるはず。

病気についておおよその概要が把握できれば、「ああ、そう言う病か!」と納得して治療に協力してくれるのが普通だろう。

でも、いつまで経っても同じことを繰り返し聞いてくる。

何回も聞けばわたしの答えが変わって病気である事実が消えると思っているのかもしれない。

でも、そんなことはありえない。

だって、症状が確かにあるんだもの。

いくらわたしが回復して健康な人に近づいていたとしても症状がゼロになっていない。

症状で苦しんでいるのに「そんな症状はない」と押し付けられてもどうしていいかわからない。

むしろ、症状で苦しんでいる自分をどうして直視してくれないのか?

わたしは苦しんできた。

意欲低下、集中力低下、妄想や認知機能障害、パニック障害、思考がまとまらないetc。

とにかく辛い苦しい状態を耐え忍んできた。

そんな自分を見て、「お前は辛い状態じゃない。苦しいはずがない」などなぜ言えるのか?

息子の苦悩を見て見ぬふりをする。

わたしからすれば父親の方がどうかしている。

医者は投薬治療やカウンセリングでわたしの症状を軽くしてくれた。

でも、父親は「医者の薬なんか飲むから具合が悪くなるんだ。医者なんか信用するな!」と言い張ってばかり。

わたしにとっては医者の方がよっぽど頼りになる。

なんというか、一番身近にいるのにわかってもらえないのは悲しい。

息子が病気で何が悪い。

病気であることが悪いのではない。

病気なんてなる時はなる。

悪いのは病気を認めないことではないか!

認めてくれればそれだけで息子のわたしは気が楽になるし、治療にも専念できる。

認めてほしいものだ、わたしを。

最も13年も疑うことしかしない父親が今更認めてくれるかというと難しい気がする。

他人を変えることは本当に難しいと実感した。

この記事を読んでいる人に伝えたいことは困っている人を認めてあげるだけでその人はすごく救われると言うこと。

他人が自分を認めることは難しい。

でも、自分で他人を認めることは自分次第。

多くの人がお互いを認め合える社会になってほしい。

切実に。

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