春眠暁を覚えず。最近、朝遅くまで寝てしまう。
そんな日の夜はうまく眠れない。
眠れないと心が落ち着かない。
そんなときは祖父母と暮らした日々を思い出す。
冬、まだまだ寒い夜。
幼子の私は寒さと夜の怖さで一人で寝れなかった。
そんなとき、祖父母の布団にくるまった。
祖父母は「寝れねーだか?」
と、優しく私を抱きしめてくれた。
あの暖かさ。
もう、二度と味わえない、あの温もり。
あの温もりを思い出せば祖父母が
私の中に甦り、
優しく包んでくれる。
そんな気がすると私は
赤ん坊のようにスヤスヤ眠れる。
祖父が亡くなったのが
桜の咲き誇る、今時分。
今日も今日とて
あの温もりを
思い出し、床につく。
「眠れねーだか?」
「うん」
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