作業療法としてのお菓子作り

統合失調症になって12年目。今までいろいろな治療を行なってきた。その中で今でも続けている治療法の一つが作業療法だ。

作業療法とは何か一つの作業(園芸、手芸、調理)を楽しみながら行うことで自信をつけたり、ストレス解消など病気の症状を抑える、改善させる治療法。

私の持病である統合失調症にもとても効果的だ。

例えば今日私は精神的に調子が悪かった。そういう時頭の中でネガティブな考えがグルグルと回り、辛い。
例えば、「なんでお前は〇〇ができないんだ!!」「あの時、こうしていれば、今こんなことになっていない!!!」過去の後悔や自責感情など非常に厄介な感情がエンドレスで襲ってくる。

そのまま放っておくとだんだん「自分はダメだ」とか「自分が悪いんだ」と自己肯定感がゼロからマイナスに低下してしまう。

最悪、自殺を考え出す場合もあり得る。

そんな状態はなんとか脱出して楽しい毎日を送れるようにしたいものだ。
だから、精神的にしんどくなり始めた段階でケアをしてあげるのが大切。早め早めの対策が後々効いてくる。

そんなとき私が行うのがお菓子作りだ。

お菓子作りのいいところは

  • 手順が決まっていること

  • ミスが許されないこと

  • 作れた時に達成感を感じれる

  • 美味しいものを食べると元気になれる

  • 意外と生活に役立つことが多い

などが挙げられる。

手順通り作れば余程のことがない限り失敗しないのがお菓子作り。例外は色々あるがクッキー作り程度ならレシピ通りに行えばそこまで失敗しない。食べられるレベルのものは作れるはずだ。

そうは言っても分量や手順を間違えれば一気に酷いモノが出来上がってしまう。だから、分量・手順をしっかり守る必要はある。その緊張感が病気の症状を抑えるのに一役買ってくれるのだ。

ある程度緊張して注意力を使うと他の嫌な考えはどこかに消えてしまう。人間はそんなに一度に情報を処理できないから。注意を頭の中から目の前のお菓子作りに向けてしまえばお菓子作り中は嫌なことを考えずに済むのだ。

それだけで随分と気が楽になる。

また、出来上がったお菓子がもし見た目がいいとなんだか芸術作品を作ったようで達成感がある。ある程度のお菓子を作るのには時間も労力もかかる。しかし、それに見合った出来栄えなら結構嬉しくなるし、誇らしさも感じるだろう。その喜びの感情は間違いなく嫌な考えを吹き飛ばしてくれるのだ。

さらに、作ったお菓子を食べて美味しかったらそれはそれで幸せな気分になれる。美味しいお菓子は食べた瞬間脳内に「甘くて美味しい」という信号が出れば、ネガティブな考えはやはり消えていく。

最後にお菓子が作れることはコミュニケーションが下手な人にも効果的な使えるネタになる。私の経験上「チーズケーキ作れます。マカロンもブッシュドノエルも作れます。」と言えば話を聞いた人は十中八九「ぜひ、食べたい!!」と興味を持ってもらえるのだ。世の中には甘いモノ嫌いはそこまで多くない。初対面で相手に興味を持ってもらうのに「お菓子作れます」はとても良いカードになる。私は自己紹介の時いつも「お菓子作れます。」と言って相手の心を掴んできた。だからお菓子作りができることは意外なところで役に立つ。

以上、私が統合失調症の治療としてお菓子作りをする理由だ。

作業療法で大切なのは楽しく没頭すること。もしあなたが病気の症状に悩まされているならなんでも良いから作業することをお勧めします!!

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