故郷には山があり、湖があり、伝承があり、文化があり、森があり、美味しいものがあり、田畑があり、町がある。
素晴らしい土地に生を受けたと思う。
四季はそれぞれ顔を変え、飽きることがない。
温泉は疲れを癒し、湧き出る水は喉を潤す。
泉小太郎、仁科のお面など伝承は飽きることなし。
山に囲まれ、美しき故郷。
私の生家は昔から故郷の恵みに支えられ、今もその恵みによって生かされている。
故郷には感謝しかない。
故郷の祭囃子は毎年私の心に刻まれる。
なのに、今その故郷が危機に晒されている。
人々の活気が失われた。
古い友は外に去り、
昔の大人は老いてこの世を去り、
皆去っていく。
ずっと一緒に居たかったのに皆廃れていく。
過去の思いが消えていく。
寂しいのです。先人の遺産が消えていくのは
恐ろしいのです。独りになるのは
辛いのです。過去の繁栄が朽ちていくのは
悲しいのです。故郷がなくなるのは
ああ、それでも私が残っている。
故郷から生まれ、育ち、生きる、私が。
未来へ突き進む、私がいる。
今ならまだ、未来へ先人たちの思いを継承できる。
私が繋ぐんだ。大いなる過去を、輝く未来へ。
苦難は多く、果てしなくとも
私には故郷の全てが支えてくれている。
だから、決して負けない。
いつの日か、故郷の土に還るまで
私は、自らの想いをかなえてみせる。
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